対象: Rainy75のJIS版を検討している人、US配列で日本語入力したい人
「日本語を入力できる」と「日本語配列のキーボードである」は別の話だ。2026年7月16日時点の公式資料をもとに、物理配列、OSの配列設定、IMEの3層に分けて判断する。
この記事のポイント
- US配列のRainy75でも、WindowsやmacOSに日本語入力を追加すればローマ字で日本語を入力できる。
- JIS版とUS配列版は物理キーの数・形・位置が違うため、キーキャップ交換やOS設定だけで同じ配列にはならない。
- WOBKEY公式はRainy75のJIS向けJSONとファームウェアを別に案内している。VIA設定では実機の配列に合うファイルを選ぶ。1
先に結論:日本語入力だけならUS配列でもできる
Rainy75のUS配列版でも、日本語IMEを使ってローマ字入力することはできる。重要なのは、次の3つを別々に確認することだ。
| 層 | 何を意味するか | 間違えると起きること |
|---|---|---|
| 物理配列 | キーの数、形、刻印、実際の位置 | Enter周辺や記号キーが合わない |
| OSのキーボード配列 | 押した位置をどの文字として扱うか | @、:、[ などが刻印とずれる |
| 入力方式・IME | 英字を日本語へ変換する機能 | かなへ切り替わらない、変換できない |
「日本語版WindowsだからJIS配列になる」「日本語IMEを入れたから刻印どおりになる」という理解は正しくない。OSの表示言語、キーボード配列、IMEは独立して設定できる。
Rainy75のJIS版とUS配列版は同じではない
WOBKEYの現行スペックページは、Rainy75を75%配列、81キーとして掲載している。2 一方、Driver & Firmwareページには通常のRGB/非RGB版とは別に、JIS向けのVIA用JSONとファームウェア欄がある。1
この2つから確認できるのは、WOBKEYがJIS構成を通常版と分けて扱っていることだ。購入時は商品名に「Rainy75」とだけ書かれているかではなく、商品写真、Enterキーの形、スペースバー周辺のキー、販売ページのJIS/ANSI表記を確認する。
一般に見るべき違いは次のとおり。
| 確認箇所 | JIS配列で見られる特徴 | US/ANSI配列で見られる特徴 |
|---|---|---|
| Enter | 縦に大きい形が多い | 横長の形が多い |
| スペースバー周辺 | 変換・無変換などキー数が多い | スペースバーが長い |
| 記号 | 日本語配列の位置と刻印 | US配列の位置と刻印 |
| 日本語切替 | 半角/全角、変換などを使う構成 | OSショートカットや再割り当てを使う構成 |
実際のRainy75は版や販売地域で構成が異なる可能性があるため、この表だけで判定せず、現物と購入元の仕様を優先する。
US配列版をWindows 11で日本語入力する
Windowsでは、日本語の言語機能とキーボードレイアウトを追加・切り替えられる。Microsoftは、キーボードレイアウトを変更してもWindowsの表示言語は変わらないと説明している。3
US配列版を刻印どおりに使う基本手順は次のとおり。
- 「設定」→「時刻と言語」→「言語と地域」で日本語を確認する。
- 日本語の言語オプションでMicrosoft IMEを利用できる状態にする。
- 物理キーボードのレイアウトは、実機に合わせて英語キーボード側を選ぶ。
- メモ帳で
@、:、[、]などの記号が刻印どおりか確認する。 - 日本語入力の切り替えキーをVIAまたはOS側で設定する。
Microsoft IMEは、HIDのLANG1をIMEオン、LANG2をIMEオフとして扱う。4 Rainy75のVIAで任意の2キーへ割り当てれば、JISキーボードにある専用キーがなくても、かな入力と英数入力を分けられる。具体的な設定は Rainy75でかな・英数を切り替える方法 で説明している。
US配列でも日本語文は書ける
ローマ字入力で日本語を書く用途なら、かな刻印は必須ではない。ただし、記号位置とEnter周辺の操作感はJIS配列と異なるため、仕事で記号を多用する人は慣れを含めて判断する。
US配列版をMacで日本語入力する
Appleは、標準のキーボードでも日本語入力ソースを追加し、切り替えて日本語を入力できると案内している。5 「システム設定」→「キーボード」→「テキスト入力」で、日本語とABCなどの入力ソースを確認する。6
Macで確認する順番は次のとおり。
- Rainy75側で
Fn+Mを3秒長押しし、macOS配列モードへ切り替える。7 - macOSへ日本語入力ソースと英字入力ソースを追加する。
- キーボードビューアまたはテキストエディタで記号位置を確認する。
- 入力ソースの切り替えを、macOSのショートカットかKarabiner-Elementsで設定する。
Fn + M はWindows向けとMac向けのキーマップを切り替える操作で、US配列をJIS配列に作り変える操作ではない。Rainy75側とmacOS側の両方を確認する。
JIS版でVIAを使うときの注意点
JIS版では、WOBKEY公式のDriver & FirmwareページにあるJIS欄から、現在の接続方式に合うJSONを選ぶ。1 通常のANSI版やISO版のJSONを読み込ませない。
| 確認項目 | 正しい状態 | 誤りやすい例 |
|---|---|---|
| 物理配列 | 実機がJIS構成 | 日本語入力できるANSI版をJIS版だと思う |
| JSON | 公式ページのJIS欄 | RGBという言葉だけでANSI用を選ぶ |
| 接続方式 | 有線または2.4GHzを一致 | 有線接続中に2.4G用を読む |
| ファームウェア | 必要時のみJIS用 | 正常なのに更新する |
WOBKEYは、正常に動作している場合はファームウェア更新を推奨していない。1 VIAが認識しないだけなら、まず JSONの選び方と認識しない時の対処 に沿って、接続モードと定義ファイルを確認する。
JIS版とUS配列版のどちらを選ぶか
| 使い方 | 向く候補 | 理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 日本語の事務作業が中心 | JIS版 | 慣れた記号位置や日本語キーを保ちやすい | JIS用JSONと販売元の仕様を確認 |
| プログラミングやUS配列に慣れている | US配列版 | 記号配置をそのまま使える | 日本語切替キーを設定する |
| WindowsとMacを行き来する | 使い慣れた物理配列 | 学習コストを抑えやすい | OSごとの配列設定が必要 |
| キーキャップ交換を重視 | 交換セットが多い配列 | 選択肢を探しやすい | JISは特殊キーの寸法を確認 |
どちらが上位という関係ではない。日本語を入力できるかではなく、記号位置、Enterの形、日本語切替、キーキャップの入手性を含めて選ぶ。
まとめ
Rainy75は、US配列版でもOSに日本語入力を設定すれば日本語を入力できる。ただし、それはJIS配列になるという意味ではない。物理配列、OSのキーボード配列、IMEを分けて設定する必要がある。
JIS版を購入・設定する場合は、実機の物理配列と販売元の表記を確認し、WOBKEY公式のJIS用JSONを使う。US配列版では、OS側もUS配列に合わせ、日本語入力のオン・オフだけを使いやすいキーへ割り当てると混乱が少ない。
参照元
-
WOBKEY, Rainy 75 Driver & Firmware ↩↩↩↩
-
WOBKEY, Rainy 75 Specs ↩
-
Microsoft Support, Windowsで言語とキーボード/入力レイアウト設定を管理する ↩
-
Microsoft Learn, キーボード日本 - ImeOn / ImeOff の実装 ↩
-
Apple, Mac用日本語入力プログラムユーザガイド ↩
-
Apple, Macの「入力ソース」設定を変更する ↩
-
WOBKEY, Rainy 75 Quick Start ↩