対象: Rainy75で日本語入力のオン・オフを1キーずつに分けたい人
2026年7月16日時点の公式資料を基準に、WindowsとmacOSで再現しやすい設定だけを整理する。WindowsはMicrosoft IMEの公式仕様、MacはOSの入力ソースを明示的に指定する方法を採用した。
この記事のポイント
- Windows 11のMicrosoft IMEでは、VIAで
KC_LNG1を割り当てるとIMEオン、KC_LNG2でIMEオフにできる。1 - macOSでは、VIAで空きキーを
F13・F14にして、Karabiner-Elementsで「かな」「英数」へ変換する方法が分かりやすい。 - VIAがRainy75を認識しない場合は、先にモデルと接続方式に合う公式JSONを読み込む。ファームウェア更新は最後の手段にする。2
先に結論:WindowsはLANG1・LANG2を直接割り当てる
Rainy75はVIAでキーマップを変更できる。3 Windows 11とMicrosoft IMEの組み合わせなら、専用ソフトを常駐させなくても、空いている2キーを日本語入力のオン・オフに使える。
| 目的 | VIAの割り当て | Windowsでの動作 |
|---|---|---|
| かな入力にする | KC_LNG1 |
IMEオン、ひらがなモード |
| 英数入力にする | KC_LNG2 |
IMEオフ、半角英数 |
Microsoftは、HIDのLANG1を VK_IME_ON、LANG2を VK_IME_OFF として扱う仕様を公開している。1 QMKの一般的なキーコード一覧ではLANG1が「Hangul/English」、LANG2が「Hanja」と説明されるため、VIA上の表示が日本語用途に見えない場合がある。4 それでも送信されるHID Usage IDは同じで、Microsoft IME側が日本語IMEのオン・オフとして受け取る。
Windows 11での設定手順
- Rainy75を有線接続に切り替え、ChromeまたはEdgeで VIA を開く。
- Rainy75を認識させ、
Configureのキーマップ画面を開く。 - かな入力に使うキーへ
KC_LNG1、英数入力に使うキーへKC_LNG2を割り当てる。 - メモ帳などで、英数キーを押すと「A」、かなキーを押すと「あ」になるか確認する。
VIAの画面に目的のキーコードが見当たらない場合は、Any または任意キーコードを入力できる欄を使う。Rainy75のモデルやVIA定義によって、項目名や配置は変わる。
Microsoft IME以外は別に確認する
上の動作はMicrosoftが公開しているMicrosoft IMEの仕様に基づく。Google日本語入力など別のIMEでは、LANG1・LANG2の受け取り方が異なる可能性がある。まず利用中のIME名を確認する。
MacではF13・F14を「かな」「英数」に変換する
macOSでは、日本語入力ソースと英字入力ソースを追加してから、Karabiner-Elementsで明示的に japanese_kana と japanese_eisuu を送る方法が判断しやすい。Appleは入力ソースを「システム設定」→「キーボード」→「テキスト入力」で追加・変更できると案内している。5
まずVIAで、使いたい2キーに F13 と F14 を割り当てる。通常のアプリで使っていないキーを選ぶのが目的で、F13・F14でなければならないわけではない。
次にKarabiner-ElementsのComplex Modificationsで、次の2つを登録する。Karabiner-Elementsは独自ルールをJSONで追加できる。6
{
"title": "Rainy75 Kana/Eisu",
"rules": [
{
"description": "Rainy75 F13/F14 to Kana/Eisu",
"manipulators": [
{
"type": "basic",
"from": { "key_code": "f13" },
"to": [{ "key_code": "japanese_kana" }]
},
{
"type": "basic",
"from": { "key_code": "f14" },
"to": [{ "key_code": "japanese_eisuu" }]
}
]
}
]
}
上の内容を、Karabiner-Elementsの設定ディレクトリにある assets/complex_modifications へ新しいJSONファイルとして保存する。7 その後、Karabiner-ElementsのComplex Modifications画面からルールを有効にする。既存の設定ファイルは上書きしない。
VIAがRainy75を認識しない場合
Rainy75は、モデルと接続方式に合うVIA定義JSONが必要になる。WOBKEY公式は、RGBのStandard/Proと非RGBのLiteについて、有線用と2.4GHz用を分けて配布している。JIS版とISO版にも個別の案内がある。2
確認する順番は次のとおり。
Fn+Tabで有線モードにし、USB-CケーブルでPCへ直接接続する。- 公式ページから自分のモデルと接続方式に合うJSONを選ぶ。
- VIAのSettingsで
Show Design Tabを有効にし、DesignタブからJSONを読み込む。 - ブラウザのデバイス接続許可をやり直し、Configure画面を再読込する。
- 直らなければ別のデータ通信対応ケーブルとUSBポートを試す。
正常に動いている個体へ、念のためという理由だけでファームウェアを入れない。WOBKEY公式も、問題がない場合は更新を推奨せず、特定の不具合がある場合かサポートから指示された場合だけ実施するよう注意している。2
VIAのJSON選択と認識エラーは Rainy75のVIA設定方法、接続モード自体が分からない場合は Rainy75の接続方法 で詳しく整理している。
うまく切り替わらないときの切り分け
| 症状 | 最初に見る点 | 次の対応 |
|---|---|---|
| 2キーとも反応しない | VIAで変更したレイヤーが違わないか | Key Testerで入力を確認する |
| Windowsでトグルになる | KC_LNG1とKC_LNG2を別キーにしたか |
Microsoft IMEを選び直す |
| MacでF13/F14のまま | Karabinerのルールが有効か | EventViewerでキーコードを確認する |
| 記号の位置もずれる | 物理配列とOS配列が一致するか | JIS版とUS配列の違いを確認する |
まとめ
Rainy75でかな・英数を1キーずつに分けるなら、Windowsは KC_LNG1 と KC_LNG2 の直接割り当てが第一候補になる。macOSは、VIAで未使用キーを作り、Karabiner-Elementsで japanese_kana と japanese_eisuu に変換すると動作を読み取りやすい。
記事どおりにならない場合は、スクリプトを増やす前に、Rainy75の接続モード、VIA用JSON、OSのキーボード配列、利用中のIMEを順番に確認する。
参照元
-
Microsoft Learn, キーボード日本 - ImeOn / ImeOff の実装 ↩↩
-
WOBKEY, Rainy 75 Driver & Firmware ↩↩↩
-
WOBKEY, Rainy 75 User Manual ↩
-
QMK Firmware, Basic Keycodes ↩
-
Apple, Macの「入力ソース」設定を変更する ↩
-
Karabiner-Elements, Complex Modifications ↩
-
Karabiner-Elements, JSON root data structure ↩